電光表示板の修理をしている。腰のツールホルダーには、スパナやレンチ、ドライバーなど必要最小限の工具が収納されている。ホームに電車が来る度に作業者が脚立から降り、補助者は脚立をたたみ、電車の通過をやり過ごす、その繰り返し。早く終わるといいね…なんて思いながらその周りにひっそりと息をひそめるように役目を全うしているおびただしいネジたちがいることを私は知っている。